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ガラスペンが衰退する

その時代 ガラスペンが最盛期のころには 職人さんの一家で作業工程をこなすという家内工業的な仕事になっていました。
生産も忙しく追いつかない事もあったと聞きます。

 

しかし 時代は刻々と変わるもの。
このガラスペンも 次第に需要がなくなってしまいます。

 

それは なぜか???

 

インクを交換できる万年筆やボールペンが出てきたからです。
便利な筆記具が登場することによって ガラスペンは売れなくなりました。

 

オイルショックの影響によって インクが少なくなってしまったのも 打撃でしょう。
ガラスペン制作に必要な材料が無ければ 作ることはできません。

 

そして 店頭からインクが少なくなってしまえば ガラスペンを使うことはできません。
ペン先はあってもインクが無い!!なら どうしようもありません。

 

これでは はるかに万年筆やボールペンの方が便利でしょう。

 

昭和30年頃の話、万年筆やボールペンの登場で ガラスペンは次第に影をひそめていきます。

 

この万年筆やボールペンは 現在 持ち歩きが簡単で非常に手軽な筆記具です。
この手軽さ 便利さに 負けてしまったのです。

 

昭和48年のオイルショックで  ガラスペンの職人さんは 次々と離職していきました。
本家の佐々木家と そのお弟子の 佐瀬家だけが残ったそうです。

 

それでも 細々と制作を続けて 結局 最後まで残ったのは 佐瀬さんだけになったそうです。

 

 

1人になっても作り続けたガラスペン

多くの職人さんが廃業していった中で 佐瀬さんだけは 細々とガラスペンを作り続けてきたそうです。
その力の源となったものは 何でしょう?

 

親方の佐瀬米蔵さんが亡くなった後も 後を継いでいたのでその灯を消すことができなかったのでしょう。
たった一人きりになっても 作り続けたんです。
そこが 素晴らしい!

 

そして 沢山の材料が余っていたこともやめなかった理由だそうです。
ガラスです。
ガラスの在庫が沢山あったのですね〜。
本家の佐々木家が廃業した時の ガラスも引き受けていたそうです。

 

ガラスを捨てられなかったのでしょうか・・・
大切な材料ですからね〜
 なんとか この余っているガラスを使う方法を模索していたのでしょう。

 

今までは ガラスのペン先だけを作っていたのでした。
そうです。
ペン先だけがガラスで 軸はガラスではありません。(持ち手は ガラスではありません)

 

そこで 沢山のガラスを使うために試行錯誤した結果 考え出したのが ペン先と軸を一体化させたものです。

 

つまり 1本のペンの全てがガラスでできているもの。
こういうガラスペンを佐瀬さんは 考案したのです。
ペンの本体全てが ガラスです。
これで 大量の在庫のガラスも消費出来るというわけです。

 

全身がガラスでできている筆記具なんて 凄いアイデアだと思いませんか??

 

単純に考えただけでも すぐに折れてしまいそうな感じがしますが・・・
普通に使うのでしたら 壊れることはありません。

 

 

 

 

ガラスペンが復活する

 

中央公論 2005.6 「手業の記憶」より 一部 参考にさせていただきました